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ケーススタディ|構造で見る職場トラブル

構造で見る職場トラブル。
一人のパートタイマーに業務が集中した現場で、なぜ問題が是正されなかったのか。
本ページでは、個人の資質ではなく「業務設計と判断体制」の視点から整理する。


①ケース概要


主にデータの収集・作成・管理・配信を中心とした業務を、
パートタイマーとして10年以上一人で担っていた部署での出来事である。


上司が1年おきに交代する体制の中、最終的には特定の上司と約4年間、1対1で業務上のやり取りを行う状況が続いた。
業務量の偏在とコミュニケーションの問題が改善されないまま関係が悪化し、社内通報を経て上司は異動となったが、私自身も別部署に配属され、その後休職することになった。


②この職場の前提条件



この部署では、データ収集・作成・配信・管理といった業務が、長期間にわたって一人に集中していた。
上司は1年おきに入れ替わる状況が続き、業務の引き継ぎや判断基準が十分に共有されないまま運用されていた。最終的には、「目の上のたんこぶ」と感じられる上司と、約4年間にわたり1対1で業務を進める体制となった。
この間、上層部や人事課長も現場の状況を十分に把握できておらず、明確な調整役は不在のままだった。


③最初に生じた小さなズレ

その上司は周囲から評価され、新たなプロジェクトリーダーに任命された。
その結果、上司は新たな役割を担う立場となったが、実務上の負担が分散されることはなく、現場の業務は引き続き私一人に集中していた。
この状況について、上層部から具体的な是正は行われなかった。


④判断されなかった瞬間


この業務は長年一人で運用されていたため、問題が起きると、対応や残業がすべて私に回ってくる状態だった。
業務内容や体制について、間に入って調整する役割の人はいなかった。
そのため、業務を続けるうえで支障が出始めたため、上司に対し改善してほしい点を伝えた。
しかしその夜、LINEの通話で怒鳴られ、後日も反論の電話が続いた。
状況について何度も説明を重ねたが、理解は得られたものの、業務体制や対応が変わることはなかった。
この時点では、問題を組織として判断する場は設けられず、個人間で抱え続ける形になっていた。

⑤問題が個人に押し付けられる構造


業務過多やコミュニケーションの問題が解消されない中で、市の相談窓口や労働基準監督署に個人的に相談し、話を聞いてもらった。しかし、この時点では助言を受けるにとどまった。
職場環境は変わらず約4か月間、状況が好転するのを待つことになった。
次第に職場に足が向かなくなり、自主的に在宅勤務を始めたが、状況は改善されなかった。
最終的に、労働局の援助を受けて社内通報を行うことになった。
組織として問題を引き受ける仕組みが明確ではなく、結果として業務上の調整や対応は個人の判断に委ねられていた。

⑥修復不能になった理由


社内通報の結果、上司は異動となった。
しかし同時に、私も別部署への配属を命じられ、その後休職することになった。
問題の原因は業務や判断の構造にあったが、当事者双方が異動する形で処理されたことで、関係の修復や再発防止につながる対応は行われなかった。
この段階では、個人の努力だけで立て直すことは、もう難しい状態だった。

⑦ 問題の所在

当事者として関わっていた間、
私はこの状況を「自分の適応の問題」だと考えていた。

しかし、出来事を時系列で整理し、業務の流れや判断の経路を書き出していく中で、見え方が変わった。

その結果、これは個人の問題ではなく、業務設計と判断体制の問題だったと分かってきた。

⑧その後の判断:労災申請という選択


上司の異動によって、一見すると問題は解消されたようにも見えた。
しかし、業務の偏りや判断が行われない構造は整理されないままで、結果として私は別部署配属後に休職することになった。
この一連の経緯を振り返り、個人の適応の問題ではなく、業務設計や意思決定のあり方に起因する負荷だったと判断した。
その整理の一つとして、労災申請という制度を利用する選択をした。
現在は労基署からの通達待ち。

(※2025年12月22日 現在)